手紙20090604 モーラー・グリーン様へ

 モーラー・グリーン様へ

 いつもご苦労様です。
 今回はモーラーさんに出来るだけ内密に報せたいことがあり、急ぎ手紙を書きました。
 突然の手紙で戸惑っているかも知れませんが、重要なことが書かれているため、どうかお読み下さい。
 本当にいきなりですが、どうかよろしくお願いします。

 ご存知かも知れませんが、現在、ニューワールドでは特殊な能力を持った子供が各地で出現しています。
 何故そんな子供達が出現したのか、詳しい理由は自分もはっきりと分かっていません。この件に関しては、帝国などでも研究が行われているという話は知っていますが、ただ人間が進化したというそれだけの話なのかも知れませんし、遠くない未来に解決策などが発見されるかも知れません。それよりも問題なのは、普通の人々と特殊な子供達との間で、深刻な対立や争いに発展してしまうことを自分は強く懸念しています。自分はそのような事態を、控えめに言って非常に好ましく思っていません。例えばですが、確かな証拠もなく、特殊な子供達とクーリンガンを結びつけるような記事などは止めたほうがいいかと思います。

 今回、自分が手紙を出した理由はただひとつ。
 フィーブル新聞社の報道に関して、特殊な子供達と普通の人々が、対立するような結果になる記事を書かないように動いて欲しいということです。必要であれば、モーラーさんから編集長などに、この件を連絡して下さい。

 今回の事態、フィーブル新聞社が下手をすると、ただそれだけで子供に対して大人達が銃を向けるような展開にもなりかねます。それどころか数百人ではきかない人々の人生を狂わせる可能性もあります。記事ひとつで、物事の印象や方向性をたくさんの人々の心に植え付けてしまうことがある新聞社は、慎重に記事を書かなければいけません。

 うまく記事を書いて下さいと、自分はモーラーさんおよび関係者の方々に強くお願いしたく思います。
 事と次第によっては、嘘の記事を書いても良い、または書けと、自分は今この手紙から指示を出します。
 嘘の記事を書く件に関して、新聞社の信用は地に落ちるかも知れませんが、自分を恨んで貰っても構いません。

 どうか、ただの新聞社であっても、子供達の未来を守って下さい。
 ここまでの内容で、モーラーさんの職業意識などを強く害するようなことがありましたら、その件については深くお詫びします。ただ、それだけの事態であるかも知れないことは、どうかご考慮下さい。よろしくお願いします。

 ……それと、少し別件になりますが、以前の調査でモーラーさんが入院されたと聞きました。
 そんな命を賭けるようなことは止めて下さい、とは言いたいのですが、何故それほどまでにモーラーさんが命を賭けているのか、もし何らかの事情があるのであれば、よろしければ教えて下さい。ひょっとしたら自分や、自分の知り合いの方などが協力できることがあるかも知れません。

 2009年6月4日 戯言屋より



 追記:以下は、2009年7月2日に受け取った手紙の返事です。
 http://cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article&id=3808

 辞表が送られてきた。
 彼女は今、設定国民向け新聞社”自由と解放”の記者として、次々記事を書いている。